合わせガラスに関するに関するQ&A

家具や人が日焼けしないガラスってありますか?
室内の家具や人が日焼をするのは、一般的に使われている透明ガラスが60%以上紫外線を通しているからです。一方、防犯ガラスや合わせガラスは中間膜により99%以上紫外線をカットしますので、家具や人の日焼をかなりの程度防ぐことができます。また、遮熱複層ガラスも特殊金属膜により85%以上紫外線をカットします。
防犯ガラスを使うことを薦めている建物はあるのですか?
共同住宅(マンションなど)では、侵入盗から居住者の資産や安全を守るため、防犯ガラスの採用が薦められています(警察庁・国土交通省「共同住宅における防犯上の留意事項」)。1階や2階だけでなく、最上階のベランダも狙われやすいので注意が必要です。平成13年の統計では泥棒に入られた共同住宅の約20%がガラスを破って入られているのです。
その他にも、児童生徒の安全を守るために、学校施設の低層階の外部に面した窓には防犯ガラスの採用が薦められています(文部科学省「幼児児童生徒の安全確保及び学校の安全管理についての点検項目(例)。」)
防犯ガラスは割れないのですか?
防犯ガラスも割れます。割れにくいガラスを防犯性能が高いと思いがちですが、ガラスの防犯性能は「突き破りにくさ」にあります。一般的なガラスの3~5倍の強度を持つ「強化ガラス」も防犯性能は決して高くはありません。ガラスが割れても突き破りにくく、窓から侵入するのに時間がかかるガラス、そんなガラスを泥棒は嫌うのです。
防犯ガラスはどうして防犯性能が高いのですか?
ガラスの防犯性能は、「突き破りにくさ」にあります。それは、泥棒が侵入に時間がかかるのを嫌うからです。(侵入に5分以上かかると7割以上の泥棒があきらめると言われています。)防犯ガラスは厚い中間膜が柔軟で強靭に働きますので、ガラスが割れても泥棒が突き破るには時間がかかるのです。
防犯ガラスは絶対に泥棒に入られないの?
防犯ガラスは絶対に泥棒に入られないわけではありません。防犯ガラスの目的は、泥棒に侵入をあきらめさせることにあります。侵入に時間がかかると大半の泥棒があきらめます。ですから、防犯ガラスに錠やサッシや他の防犯設備と組み合わせると、さらに防犯効果を高めることができるのです。
防犯ガラスの中間膜は何でできているのですか?
一般的にはPVB(ポリビニールブチラール)膜というプラスチックが使われています。熱と圧力をかけることで2枚のガラスを接着します。さらに高い耐貫通性や紫外線カット効果があります。
防犯ガラスと合わせガラスはどう違うのですか?
中間膜の厚さが違います。防犯ガラスの中間膜は30ミル(0.76mm)以上ですが、合わせガラスの中間膜は15ミル(0.38mm)しかありません。欧州の規格では、中間膜15ミルの合わせガラスには防犯性能を認めていません。
普通のガラスにフィルムを貼って防犯効果はありますか?
一般的なフィルムは、ガラスが飛び散るのを防ぐことを目的にしているので効果は期待できません。また、防犯性能を謳ったフィルムについては、欧米などの公的な規格に定められた試験に合格しているかを確認することが必要です。フィルムは定期的な貼り替えによりトータルコストが高くなりますし、施工の方法によっては効果が損なわれますので注意が必要です。
泥棒はどうやってガラスを破って侵入するのですか?
泥棒の侵入方法は大きく分けて2種類あります。1つは「こじ破り」といってドライバーなどで音を立てずにひそかに侵入する方法です。住宅の侵入手口の大半は「こじ破り」です。もう1つは「打ち破り」といって、ガラスを壊す音をあまり気にせずに住人や警察が駆けつける前に盗みを終えようとする方法です。「打ち破り」は店舗や事務所に多い侵入手口です。
ガラスを割って泥棒が侵入する割合はどれくらいあるのですか?
戸建て住宅で60%以上、共同住宅で約20%、事務所・店舗などで約30%という統計結果があります。ピッキングが注目されていますが、実はガラスのほうが狙われているのです。
海外にも防犯ガラスはあるのですか?
あります。わが国の防犯ガラスは欧米の防犯ガラスを参考にしています。ガラスの防犯性能についての公的な規格が日本にはまだないのですが、欧米には既にあり、それに基づいて防犯ガラスが認定されています。(欧米では、ガラスの防犯性能の規格が盗難保険の料率算定の基準にもなっているのです。)
二重窓と防音性能の高いガラスとではどちらが効果がありますか?
一概に優劣はつけられませんが、窓の厚さを壁並にかなり厚くできる場合、二重窓の方が高い防音性能が得られるといわれています。ただ、サッシが2重になることから、開閉の煩わしさとコストアップを伴います。一方、異厚複層ガラスや合わせガラスと気密性の高いサッシの組合せは一枚のサッシでそれなりの防音効果が得られるという利点があります。
どうして防犯ガラスや合わせガラスには防音効果があるのですか?
防犯ガラスや合わせガラスは、2枚のガラスを使うことで、結果的にガラスの合計厚さを厚くしていることが理由として挙げられます。例えば、住宅用の透明ガラスは一般的に3ミリか5ミリが使われていますが、防犯ガラスや合わせガラスは3ミリの透明ガラスを2枚使っているので合計厚さ6ミリとなり、ガラスの合計厚みが大きくなります。また、中間膜にはガラスの振動を吸収する効果もあります。
ガラスを替えるだけで防音性能は上がりますか?
窓の防音性には「サッシの気密性」がかなり影響します。音波は、光よりもずっと波長が長いので、障害物の周囲から裏側に回る(回折)性質を持っていますので、隙間や孔から容易に室内に入ってしまいます。ガラスを替えるとともに、音が入りやすいサッシ周辺の隙間を少なくしたサッシ(気密サッシ)を用いることが大切です。
普通のガラスにフィルムを貼って地震対策に効果がありますか?
フィルムは短期的な地震対策に有効です。一方、フィルムは定期的な貼り替え工事が必要ですので、長期的にみればトータルコストは高くなります。また、施工の方法によってはガラスの飛散防止効果が損なわる場合があります。新築時や長期にわたって地震対策を行う場合には合わせガラスがおすすめです。
地震のときも安心な複層ガラスはありますか?
合わせガラスや防犯ガラスや強化ガラスを室内側に使った複層ガラスがおすすめです。割れても安全で、さらに結露防止や省エネルギー効果があります。防犯ガラスを使った場合はさらに防犯効果もあります。
地震の時、割れたガラスの破片はどのように飛び散るのですか?
ガラスの破片は窓の高さの約1/2の範囲に飛び散ります。
外からの飛来物や室内の家具が万一ぶつかっても安全なように、人通りの多い大通りや密集した市街地には、割れても破片の飛び散らない合わせガラスの採用をお願いしています。
強化ガラスや合わせガラスを見分けるための表示ってあるのですか?
あります。強化ガラスと合わせガラスは「安全ガラス」と総称され、それぞれ次のようなシールを貼っています。
学校にはどんなガラスが使われているのですか?
学校では、災害時には避難場所になることが多いことや、児童生徒が日常生活でガラスの破片で怪我をしやすいので、強化ガラスか合わせガラスを使うことが求められています(文部科学省「小学校施設整備指針」「中学校施設整備指針」)。また、児童生徒の安全を守るために、低層階の外部に面した窓には防犯ガラスの採用が薦められています(文部科学省「幼児児童生徒の安全確保及び学校の安全管理についての点検項目(例)
合わせガラスの中間膜は何でできているのですか?
一般的にはPVB(ポリビニールブチラール)膜というプラスチックが使われています。熱と圧力をかけることで2枚のガラスを接着します。さらに割れても飛び散らなくする特性や高い紫外線カット効果があります
網入りガラスも合わせガラスにできますか?
できます。網入りガラスと透明ガラス等を使って合わせガラスにします。網入りガラスは火災時の延焼や類焼を防ぐ効果がありますが、合わせガラスにしても同じ効果が認められています。
風呂場や浴室にはどんなガラスを使えばいいのでしょうか?
強化ガラスか合わせガラスをお使いください。風呂場や浴室は、身を守る衣服がありませんので割れても安全なガラス(安全ガラス)が最適です。強化ガラスは割れたときにも破片が粒状になり安全です。合わせガラスはガラスの破片が飛び散らない特性をもっています。
複層ガラス・合わせガラス・強化ガラスも切断できるのですか?
複層ガラス、強化ガラスの切断はできません。合わせガラスは、品種によって異なりますが、一般的には切断は困難です。
普通の家の窓には何ミリの厚さのガラスがはまっていますか?
一般的な住宅では、透明のガラスの場合は一般的に3~6ミリ、不透明の場合は4ミリ、網入りの場合は6.8ミリです。
複層ガラスと合わせガラスは同じものですか?
違います。複層ガラスは2枚のガラスの間に乾燥空気を密封したもので、合わせガラスは2枚のガラスの間に樹脂製の中間膜をはさんだものです。
ガラスの重さはどれくらいですか?
板ガラスの比重は2.5です。計算式は、板ガラスの重量(kg)=2.5×板ガラス厚さ(mm)×板ガラス面積(㎡)です。ちなみに、5mmの厚さで1m×1m(1㎡)の大きさの板ガラスの重量は、12.5kgとなります。
ガラスに寿命はありますか?
板ガラスそのものに寿命はありません。しかし、板ガラスとその他部材を組み合わせた合わせガラスや複層ガラスには組み合わせた部材の経年劣化が考えられるので、製品としては寿命があるといえるでしょう。
今窓で使っているガラスを再利用して複層ガラスや合わせガラスに取り替えることはできますか?
今入っているガラスを再利用して、複層ガラスや合わせガラスに加工することはできません。
今使っているサッシにはどのくらいの厚さのガラスが入れられるのでしょうか?
1枚ガラスの入っている一般的な住宅用サッシの場合、ガラス嵌め込み部分の広さ(溝幅)が9mm、11mmとなっています。(サッシメーカーにより違う場合もあります。)
一般的には、9mm・11mmの溝幅のサッシには、6.8mmの網入(線入)までの厚さのガラスが嵌め込み用ガラスとして想定されていますが、ガラスとサッシの間に一定の間隔(面クリアランス)が必要となりますので、嵌め込み可能なガラス厚については、街のガラス屋さんにご相談ください。
一戸建て住宅に住んでいますが、サッシはそのままでガラスだけ取り替えることはできますか?
ほとんどの場合可能です。
一般的な住宅用サッシの場合、強化ガラス(厚さ4mmか5mm)や合わせガラス(総厚6mm)や防犯ガラスの一部はそのまま取り替えることができます。ガラスの総厚さが大きくなる場合(複層ガラスや網入りガラスを使った防犯ガラス・合わせガラスなど)はアタッチメントと呼ばれるアダプターを使ってガラスの厚さを調整します。
詳しくはお近くの街のガラス屋さんにご相談ください。

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