耐熱強化ガラスに関するQ&A
- 強化ガラスに防犯性能はないのですか?
- 強化ガラスに防犯性能は期待できません。一般的なガラスの3倍~5倍の強度を持つ強化ガラスも泥棒の手にかかると一般的なガラスと同じように破られてしまいます。
- ガラスを割って泥棒が侵入する割合はどれくらいあるのですか?
- 戸建て住宅で60%以上、共同住宅で約20%、事務所・店舗などで約30%という統計結果があります。ピッキングが注目されていますが、実はガラスのほうが狙われているのです。
- 強化ガラスはどうしてサイコロ状に割れるのですか?
- 強化ガラスは、板ガラスを軟化点(約700℃)近くまで加熱した後、急冷処理により、ガラスを破壊させようとする引張り力を打ち消す圧縮応力を形成させることで強い強度を得ています。強化ガラスがサイコロ状に割れるのは、表層の圧縮層と内部の引張層との応力バランスがガラス全面において一瞬にして崩れるためです。サイコロ状の破片は、普通のガラスの破片に比べ安全ですので破片による大きなケガの危険性が少なくなります。
- 普通のガラスにフィルムを貼って地震対策に効果がありますか?
- フィルムは短期的な地震対策に有効です。一方、フィルムは定期的な貼り替え工事が必要ですので、長期的にみればトータルコストは高くなります。また、施工の方法によってはガラスの飛散防止効果が損なわる場合があります。新築時や長期にわたって地震対策を行う場合には合わせガラスがおすすめです。
- 台風がよく通る地域に住んでいます。強化ガラスと合わせガラスとどちらがいいのですか?
- 強化ガラスは一般的なガラスの3~5倍の強度がありますので、強い風や飛来物にも割れにくくなっています。合わせガラスは、割れやすさは一般的なガラスとあまり変わりがありませんが、割れても飛び散らないので、強い台風の時でもとりあえず雨風をしのぐ機能は持続します。目的に応じてお選びください。
- 学校にはどんなガラスが使われているのですか?
- 学校では、災害時には避難場所になることが多いことや、児童生徒が日常生活でガラスの破片で怪我をしやすいので、強化ガラスか合わせガラスを使うことが求められています(文部科学省「小学校施設整備指針」「中学校施設整備指針」)。また、児童生徒の安全を守るために、低層階の外部に面した窓には防犯ガラスの採用が薦められています(文部科学省「幼児児童生徒の安全確保及び学校の安全管理についての点検項目(例)」
- 風呂場や浴室にはどんなガラスを使えばいいのでしょうか?
- 強化ガラスか合わせガラスをお使いください。風呂場や浴室は、身を守る衣服がありませんので割れても安全なガラス(安全ガラス)が最適です。強化ガラスは割れたときにも破片が粒状になり安全です。合わせガラスはガラスの破片が飛び散らない特性をもっています。
- 複層ガラス・合わせガラス・強化ガラスも切断できるのですか?
- 複層ガラス、強化ガラスの切断はできません。合わせガラスは、品種によって異なりますが、一般的には切断は困難です。
- 割れないガラスはありますか?
- 現在の技術では、割れにくいガラスはありますが割れないガラスはありません。
- マンションに住んでいますが、窓ガラスの取替えはできますか?
- 取替えはできますが、分譲マンションの場合、窓は共用部にあたりますので、管理組合の承諾が必要です。
- テーブルトップにガラスが使われていますが、どんなガラスですか?
- 強化ガラスが一般的です。
- 強化ガラスは普通のガラスに比べてどのくらい強いの?
- 強化ガラスは普通のガラスに比べ衝撃や風圧等の外力に対し3~5倍の強度があります。また万一割れても破片が粒状になるため人体に深い怪我を生じにくくします。
- 強化ガラスが何もしないのに割れてしまった。どうして?
- 強化ガラスは普通の板ガラスを約700℃に加熱した後、急速に冷やして造りますが、この時表面に圧縮層と内部に引張層が生まれ、いわば綱引きの状態で双方がバランスしています。ガラス表面についた小さなキズやごくまれにガラス中に残存する不純物に起因する小さなキズが成長すると、この綱が切れてしまいバランスが崩れて、あまり大きな外圧が加わっていない状態でも割れてしまうことがあります。強化ガラスはキズを起点として瞬時に粒状に全面破損します。
- ガラスの棚板やテーブルトップはどこに頼めばいいの?
- ガラスと同様、お近くの街のガラス屋さんにご相談下さい。
使用目的によって、強度上必要なガラス品種、厚みが決まります。また、寸法・形状によっては切断・加工ができない場合があります。
- ガラスの切断面にはどのような加工が施されているの?
- 皆さんの目に触れない部分すなわちサッシ枠にのみ込まれているガラス切断面(ガラスエッジと呼びます)は、欠けやソゲ等のないクリーンカットの状態となっています。
棚板やテーブルトップのエッジは湿式砥石で磨く2次加工(面取り加工、擦り加工、磨き加工など)が施されています。
- ガラスの重さはどれくらいですか?
- 板ガラスの比重は2.5です。計算式は、板ガラスの重量(kg)=2.5×板ガラス厚さ(mm)×板ガラス面積(㎡)です。ちなみに、5mmの厚さで1m×1m(1㎡)の大きさの板ガラスの重量は、12.5kgとなります。
- ガラスに寿命はありますか?
- 板ガラスそのものに寿命はありません。しかし、板ガラスとその他部材を組み合わせた合わせガラスや複層ガラスには組み合わせた部材の経年劣化が考えられるので、製品としては寿命があるといえるでしょう。
- 今使っているサッシにはどのくらいの厚さのガラスが入れられるのでしょうか?
- 1枚ガラスの入っている一般的な住宅用サッシの場合、ガラス嵌め込み部分の広さ(溝幅)が9mm、11mmとなっています。(サッシメーカーにより違う場合もあります。)
一般的には、9mm・11mmの溝幅のサッシには、6.8mmの網入(線入)までの厚さのガラスが嵌め込み用ガラスとして想定されていますが、ガラスとサッシの間に一定の間隔(面クリアランス)が必要となりますので、嵌め込み可能なガラス厚については、街のガラス屋さんにご相談ください。
- 一戸建て住宅に住んでいますが、サッシはそのままでガラスだけ取り替えることはできますか?
- ほとんどの場合可能です。
一般的な住宅用サッシの場合、強化ガラス(厚さ4mmか5mm)や合わせガラス(総厚6mm)や防犯ガラスの一部はそのまま取り替えることができます。ガラスの総厚さが大きくなる場合(複層ガラスや網入りガラスを使った防犯ガラス・合わせガラスなど)はアタッチメントと呼ばれるアダプターを使ってガラスの厚さを調整します。
詳しくはお近くの街のガラス屋さんにご相談ください。