ガラスと防災に関するQ&A

強化ガラスはどうしてサイコロ状に割れるのですか?
強化ガラスは、板ガラスを軟化点(約700℃)近くまで加熱した後、急冷処理により、ガラスを破壊させようとする引張り力を打ち消す圧縮応力を形成させることで強い強度を得ています。強化ガラスがサイコロ状に割れるのは、表層の圧縮層と内部の引張層との応力バランスがガラス全面において一瞬にして崩れるためです。サイコロ状の破片は、普通のガラスの破片に比べ安全ですので破片による大きなケガの危険性が少なくなります。
普通のガラスにフィルムを貼って地震対策に効果がありますか?
フィルムは短期的な地震対策に有効です。一方、フィルムは定期的な貼り替え工事が必要ですので、長期的にみればトータルコストは高くなります。また、施工の方法によってはガラスの飛散防止効果が損なわる場合があります。新築時や長期にわたって地震対策を行う場合には合わせガラスがおすすめです。
台風がよく通る地域に住んでいます。強化ガラスと合わせガラスとどちらがいいのですか?
強化ガラスは一般的なガラスの3~5倍の強度がありますので、強い風や飛来物にも割れにくくなっています。合わせガラスは、割れやすさは一般的なガラスとあまり変わりがありませんが、割れても飛び散らないので、強い台風の時でもとりあえず雨風をしのぐ機能は持続します。目的に応じてお選びください。
地震のときも安心な複層ガラスはありますか?
合わせガラスや防犯ガラスや強化ガラスを室内側に使った複層ガラスがおすすめです。割れても安全で、さらに結露防止や省エネルギー効果があります。防犯ガラスを使った場合はさらに防犯効果もあります。
地震の時、割れたガラスの破片はどのように飛び散るのですか?
ガラスの破片は窓の高さの約1/2の範囲に飛び散ります。
外からの飛来物や室内の家具が万一ぶつかっても安全なように、人通りの多い大通りや密集した市街地には、割れても破片の飛び散らない合わせガラスの採用をお願いしています。
強化ガラスや合わせガラスを見分けるための表示ってあるのですか?
あります。強化ガラスと合わせガラスは「安全ガラス」と総称され、それぞれ次のようなシールを貼っています。
学校にはどんなガラスが使われているのですか?
学校では、災害時には避難場所になることが多いことや、児童生徒が日常生活でガラスの破片で怪我をしやすいので、強化ガラスか合わせガラスを使うことが求められています(文部科学省「小学校施設整備指針」「中学校施設整備指針」)。また、児童生徒の安全を守るために、低層階の外部に面した窓には防犯ガラスの採用が薦められています(文部科学省「幼児児童生徒の安全確保及び学校の安全管理についての点検項目(例)
合わせガラスの中間膜は何でできているのですか?
一般的にはPVB(ポリビニールブチラール)膜というプラスチックが使われています。熱と圧力をかけることで2枚のガラスを接着します。さらに割れても飛び散らなくする特性や高い紫外線カット効果があります
網入りガラスも合わせガラスにできますか?
できます。網入りガラスと透明ガラス等を使って合わせガラスにします。網入りガラスは火災時の延焼や類焼を防ぐ効果がありますが、合わせガラスにしても同じ効果が認められています。
風呂場や浴室にはどんなガラスを使えばいいのでしょうか?
強化ガラスか合わせガラスをお使いください。風呂場や浴室は、身を守る衣服がありませんので割れても安全なガラス(安全ガラス)が最適です。強化ガラスは割れたときにも破片が粒状になり安全です。合わせガラスはガラスの破片が飛び散らない特性をもっています。

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